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春「新じゃが」

春先から初夏にかけて収穫される「新じゃが」。実は品種名ではなく、冬に植えたものを春に収穫し、貯蔵せずにすぐ出荷されるじゃがいものことを「新じゃが」と呼ぶのだそうです。水分を多く含み、みずみずしいのが特徴。皮も柔らかいので、皮つきのままで調理しても美味しくいただけます。

じゃがいもと言えば北海道と答える方が多いと思いますが、「新じゃが」は早春2〜3月頃から鹿児島や長崎などの九州で出荷がスタートし、桜前線のように収穫エリアが次第に北上。『あぐりパーク食彩村』の周辺では5月から6月頃が旬の出回り時期となり、店頭に並びます。

小ぶりのものならブラシなどで汚れを落としてから丸ごと調理するのがおすすめ。皮付きのまま茹でれば水っぽくなるのを防げます。しっとりした食感でコクが少ないので、バターやクリームチーズなど、少し濃いめの味付けとよく合います。煮崩れしにくく、煮っころがしやじゃがバターなども美味しそうですね。

細切りにしてシャキシャキの食感を楽しんだり、すり潰してモチモチのニョッキにしたりと、「新じゃが」ならではのメニューも多彩です。普通のじゃがいもに比べて、さらにビタミン豊富な「新じゃが」。美味しくいただいて元気な春を過ごしましょう。

じゃがいもは地下で育った『茎』

じゃがいもは土の中で育ちますが、私たちが食べているのは実は根ではなく『茎』。光の当たる所に置いておくと緑色になるのは、葉緑素を持つ『茎』だからなのだそうです。それに対してゴボウやサツマイモは根。確かに日に当てても緑色にはなりませんね。

【栄養価】

炭水化物、ビタミンC、カリウム、食物繊維など。

【効用】

ビタミンCが豊富な「新じゃが」。水溶性で熱に弱いビタミンCですが、でんぶんに守られているため加熱しても壊れにくいのが特徴です。高血圧予防やむくみ防止に効果的なカリウムも豊富です。皮が薄くやわらかいので、皮ごと食べることで食物繊維も摂取できます。でんぷんを多く含みますが、カロリーはご飯の半分程度です。

【見分け方】

表面がなめらかでシワや傷、色むらがないもの、ハリのあるものを選びましょう。皮が薄いほど新鮮です。逆に皮が薄いため光に反応しやすく、表面がうすい緑色になってしまったものは有毒物質が生成され始めているので避けてください。芽が出ているものもNG。

【保存方法】

光を避けるために新聞紙などに包んで風通しの良い冷暗所か野菜室に。ただし、でんぷん質が破壊されると味が落ちるので、温度は下げ過ぎないようにしましょう。りんごと一緒に保存するとエチレンガスの作用で芽が出にくくなるようです。「新じゃが」は水分が多いため通常のじゃがいもより保存がききません。なるべく早く食べ切りましょう。

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