ぶどうの仲間の中でもひときわ粒も房も大きくて、甘い果汁がいっぱい。
“ぶどうの王様”とも呼ばれる「巨峰」は、日本原産のぶどうです。
実は「巨峰」という名前は商品名で、このぶどうを開発した研究所から見える富士山にちなんで名付けられたのだとか。(ちなみに、品種の正式名は「石原センテニアル」)
豊橋では昭和20年代から栽培がはじまりましたが、昭和50年頃には全国にさきがけて「種なし巨峰」の生産に成功。
以来、「種なし巨峰」は愛知県の特産品として、子供からお年寄りまで食べやすいぶどうとして人気の果物となっています。
秋のイメージがあるぶどうですが、『食彩村』には6〜7月頃から「巨峰」が並べられます。皮をむいて果肉だけを食べるのが一般的ですが、皮をむいてしまうと果汁が流れてしまうので、まるごと口に入れて食べるのもおすすめ。皮は食べても大丈夫です。まるごと冷凍してシャーベットにしたり、皮のままジューサーにいれてスムージーにしたり、アレンジも楽しめます。
白い粉は新鮮さのしるし
「巨峰」の表面に付いている白い粉はブルームと言い、果肉を守るために内部から分泌された天然の物質です。よく熟して新鮮なものほどブルームが付いています。サッと水で洗っていただきましょう。
【栄養価】
ブドウ糖、果糖、カリウム、カルシウム、鉄分、亜鉛、ビタミンB1、ビタミンCなど。
【効用】
主な成分であるブドウ糖と果糖は、夏バテした時など疲労回復のエネルギー補給に最適です。バランス良く含まれているミネラルは貧血予防にも。また、皮の部分には抗酸化作用を持つポリフェノールが豊富に含まれています。
【見分け方】
皮の色が濃くてふっくらしているもの、軸が緑色でみずみずしいものを選びましょう。ブルーム(白い粉)がしっかり付いている方が新鮮です。ぶどうは上の方から甘くなるため、下の方の粒が甘ければ全体が甘いと予想できます。
【保存方法】
ラップ、新聞紙、ポリ袋などに入れて、冷暗所か冷蔵庫の野菜室へ。店頭に並べる時には食べ頃になっていることが多いので、なるべく早く食べましょう。粒を房から外す場合は、軸を2〜3mm残してハサミでカットすれば果汁が出るのを防ぎます。一粒ずつ冷凍しておけばシャーベット感覚のデザートに。