ほくほくした食感とほどよい甘さが懐かしさを感じる秋の味覚「さつまいも」。お料理に、スイーツに、お酒に、幅広く活用できる便利な食材です。肥沃な土壌でなくてもよく育つ「さつまいも」は、南方から薩摩藩に伝わり、江戸時代の飢饉を救ったと言われています。
豊橋市では飯村(いむれ)地区で古くから栽培されており、「飯村甘藷(いむれかんしょ)」「いむれのさつまいも」として『食彩村』の店頭を賑わわせています。
この「飯村甘藷」は、水っぽくなく強い甘みを持つのが特徴。これは、飯村地区の乾いて小石の混ざった土がイモに地熱を伝えることによって甘みが増すためなのだそうです。
12月に入ると、人気の「芋切干」も発売されます。
また、「さつまいも」は渥美半島でも昔から盛んに栽培されていました。三河湾で獲れる魚介類と、「さつまいも」のでんぷんから作られる水飴、これらが出会ってできたのが東三河の「佃煮」です。東三河では美味しい佃煮をつくる老舗企業が多くあります。
女性好みのお味?
女性が好きな食べ物の代表として挙げられる「さつまいも」。江戸時代には既に「芝居蒟蒻芋南瓜(しばい・こんにゃく・いも・かぼちゃ)」という言葉があったのだとか。関西では「芋蛸南瓜(いも・たこ・なんきん)」とも。甘みのある野菜は、今も昔も女性に好まれていたようです。
【栄養価】
食物繊維、カリウム、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンE、カルシウムなど。
【効用】
セルロースという食物繊維が芋類の中でも一番多く含まれているので、腸の働きを整えることはもちろん、血中のコレステロールや血糖値を調整する効果も期待できます。またビタミンCは、加熱してもこわれにくいのがうれしいところです。
【見分け方】
皮につやがあり、色が濃くて均一なものを選びましょう。表面に傷やへこみなどが少なく、ふっくらとしていること、ずっしりと重いこともポイント。ひげの多いものは繊維が多いので食感重視の方はひげの少ない物を。
【保存方法】
寒さに弱いので、冷蔵庫保存はNG。1本ずつ新聞紙に包んで15℃くらいの冷暗所で保存を。温度変化の少ない場所に置きましょう。濡れている場合は、しっかり乾かしてから保存すること。「さつまいも」は収穫後も呼吸しています。ビニール袋に入れるのは避けましょう。